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一人歩く 夜の獣道。


深い森は朝も夜も危険は同じ。
それなら人が眠る夜の方がまだ安全だ。

人とて信用できるものではないのだから。



ましてや女の一人旅。
絡まれることも少なくはない。



目指すは古都ブルネンシュティグ。
この世界で最も人の集まる街。


人が集まるということは石に関する情報も膨大にあるといっていいだろう。


あちこちで感じられる赤いオーラ。
そのほとんどが偽物で、触れると同時に消えていく。



それでも一つずつ、見つけ出して確かめるしかない。





関所一つない古都ブルネンシュティグ。

これでは魔物が人に成りすまし進入したところで 誰も気づかないんじゃないか?

まぁ、魔物がいようが私には関係ないけど。



初めて訪れる街でも迷うことはない。
冒険者や傭兵が目指す場所はただ一つ。

『ブルンギルド連合』

噂や護衛、魔物処理の仕事。
ありとあらゆる情報が集まる場所がここだ。


簡単な仕事なら掲示板に張り出されている紙を手に取り、
各街の連合長に受けると申し出ればいい。


難しい仕事は連合長が管理している。
そう、例えば悪魔の関わるモノなど。



「?あんた、見かけない顔だねぇ。」
「初めてここに来たからな。」
「あんた、一人か?」
「・・・だったら?」

しばらく続く無言のやりとり。

「で?何か用か?」
「用がなければ来るわけがないだろう。」
「・・・あんたなぁ。」
「なんだ?」


「・・・・・・いいよ。もう。仕事をくれって言うならまず傭兵登録してもらうよ。」
「あぁ。」

記すは名前と職業のみ。

D・キース (弓槍)


「これで、いいか?」
「弓槍って、あんた両使いか。」
「場合に応じて使い分ける。」
「へぇ。」

ニッと笑い、楽しそうに目を細める連合長。

「俺はカルプレン。ここの責任者だ。よろしく。」
「よろしく。」


「で、あんたが求める仕事は?」
やっと本題か。

「悪魔だ。」
「は?」
「悪魔に関わる仕事は何かあるか?」

「・・・・・あんた、一人だろ?」
「見れば分かることだ。」
「無理無理。一人っていうだけも問題あるってーのに、ましてやあんたは女だ。」
「そこらの男共よりは遥かに強いと思うぞ?」
「・・・・あー、でもダメだな。」
「別に仕事が失敗しても、他の誰かがやるだけだろう。」

失敗して私が死のうが、何も問題ない。

「それでも少しでも死者は少なく、が俺のモットーだ。
俺は俺が任せても大丈夫だと思った相手にしか仕事は与えない。」


うざい。
「うざくて結構だ。」
・・・・・
「とにかく、悪魔関連の仕事は難易度もかなり高い。一人でやろうとする奴にはさせられない。」

「一人でなければいいんだな?」
「あぁ。」
「分かった。また来る。」




ああいう人間は嫌いだ。
おせっかい。





仕方ない、ここは誰か捕まえるしかないな。



しばらくここに居なければならなくなりそうだ。




はぁ。。。
by koukas | 2001-03-10 14:47 | SS


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